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ダニの発生原因と対策

「ダニ」と聞くと、家中どこでも居そうで気持ち悪いですよね。

でも、ただ不安がっているだけでは、何の解決にもなりません。ここは敵のことをよく知って、その対策を立てましょう。

さて、一般的に多くのお家で同じような状況ですが、綿ボコリ1gの中には平均30種類、1000匹のダニが生息していると言われていて、家全体で言えば、一軒で5000万~数億匹のダニがいるとも言われます。

ダニの住みかで多いのは、ふとん、枕、カーペット、ソファ、ぬいぐるみ 等フワフワと中に空間が多くて、温度・湿度が快適で、フケ・垢・毛や食べ物カス等の多いところ。このようなものをなるべく減らすか、掃除をこまめにするかしないと、それがアレルギー疾患の発生源になることもあります。

ダニアレルゲン

■ダニは次の三つの条件が揃うことによって繁殖します。

・室内温度が20~30度、湿度60~80%
・エサ(塵、フケ、垢、毛髪、食べ物カス等)があること
・潜んで卵を産める場所があること

特に大量発生する条件は室温25~28℃で湿度が70~80%で、高温多湿がダニ繁殖に最も適しています。最近の住宅は冬でも室内温度を高く維持(安定)させる家庭が多いため、冬でも夏と変わらないダニの数が検出される事例も多く見られます。

人間に快適な生活環境は、ダニにとっても快適で繁殖しやすくなるのですね。

■次のような状況だと、ダニが大量発生する場合があります。

・掃除をマメにしない(エサがある)
・畳の上にジュータンやカーペット等を重ね敷きをする(住みかがある)
・窓を密閉し室内に風を入れない(高温多湿)
・水分を多く含んだ雑巾で拭き掃除をする(水分、湿度が高い)
・室内で犬、猫、小鳥等のペットを飼う(エサや湿度)
・菓子等の食べこぼしをする(エサがある)
・洗濯物を室内に干す(湿度が高い)
・加湿器を過剰に使用する(湿度が高い)

■ダニ対策

ダニ対策といっても、ダニは人と同じような気温・湿度を好むので、①ダニの住みかを少なくする、②湿度を下げる、③こまめに掃除をする ことで、繁殖を抑制し、その数を減らすことです。 具体的には、・・・

・なるべく絨毯やラグ等の敷物、ぬいぐるみ等、住みかとなるものを少なくする

・室内ではペットを飼わない

・自然通気に心がけて、湿度を下げる

・掃除の回数を増やしてエサとなるホコリやゴミを少なくする

・畳や絨毯の表面にいるダニには、電気掃除機をかける方法が一番効果的です。1㎡30秒程のゆっくりペースで、縦方向+横方向の往復クロスかけの容量で丁寧にかけてください。

・加湿器は多用せず、除湿器を使用するとダニの発生を減らせます。

・ふとんにいるダニやそのフンは、ふとんをたたくと粉砕され、より小さなホコリとなって空中を漂いやすくなります。こんな時に役立つのが、電気掃除機。天日干しで水分を飛ばした後、たたかず掃除機で吸い取りましょう。

・防虫シートを活用するのも有効です。

・日本の家の中に多いダニ(ヒョウヒダニ、コナダニ、ツメダニ)等は熱に弱く、加熱乾燥法、マイクロ波加熱法、高周波加熱法のいずれも有効な駆除(殺ダニ)方法です。

以上、手間は少しかかりますが、ダニの少ない健康的な暮らしを目指してください。

 

アレルギー性の症状は、桜の後、紅葉の前等の季節によく現れます。

最大の要因は、ホコリの中のダニやその死骸とフン、それらが粉砕されたもの等などからなるハウスダストで、これらが空気中に舞い上がり、人が吸い込むことで発症すると言われています。

LV09室内に漂うハウスダストを特殊装置で撮影したのがこちら

普段肉眼では見えませんが、多くのご家庭がこれに近い状態のようです。

ホコリ等の大きさはどの程度かご存知ですか?(単位は 1μm=0.001mm →1mmの千分の一)

 

綿ボコリ                     100~2000μm              土・砂ボコリ                  10~100μm

髪の毛の太さ         60~100μm               動植物の繊維            100μm~

ダニ                             80~300μm               食品クズ                      10μm~

花粉                            10~100μ                 フケ、アカ                       1~100μm

セメント、アスベスト         1μm~                   ダニのフン、カビ             1~50μm

細菌                              1~8μm                  粘土の粉                     0.1~1μm

ウィルス、たばこの煙    0.01μm~0.1μm

これらの内、比較的大きなものは舞い上がっても早く落ちるのですが、家の中に多いダニの死骸やフンが砕けた大きさである1μm程の微細なホコリは、静かな部屋でも1m落下するのに4~9時間かかります。そして一度舞い上がると、なかなか落ちずに空気中を漂うことになり、知らずに吸い込んでしまうことになります。

これらを吸い込むと免疫細胞が体外に排出しようと働き、免疫細胞が働くとヒスタミンを放出。そのヒスタミンが筋を収縮させ、かゆくなり、無意識にひっかいて、キズやハレになる。

これがアレルギー性皮膚疾患発生の大きな流れです。

またカビや細菌は、ホコリを乗り物にして室内を移動し、食べ物に付着して食中毒の原因になったり、肺や気管に入りこみ、アレルギー疾患やさまざまな病気を引き起こす原因となります。

だからこそ、毎日の掃除が大切なんですね~!

ところで、最近の家ではフローリングが床面積の80% を占めているようですが、留守時や夜中など空気が動かない時にホコリはゆっくり降り積もり、人が動き出す前の早朝や帰宅前が、最も床にホコリが積もった状態となります。

従って、この朝一や帰宅時、バタバタと動き出す前にまずはホコリをたてずに床掃除をしてしまえば、室内の空気中のホコリの状態は大きく変わります。

D社研究所で、床掃除をするとき、掃除道具による違いでホコリの舞い上がり方がどれだけ違うか、という実験がされました。いろいろな道具で掃除をした後、室内の空気を1mの高さで採取し20L中にどれだけホコリがあるか測定したものです。(実際に微粒子を数えたらしいです。ご苦労様でした。)

その驚きの結果は → モップ:60個、   ほうき:700個、   電気掃除機:1200個

なんと、9割以上のお宅でまず最初に使われている電気掃除機では、モップの約20倍のホコリが舞い上がるという結果です。机や棚の上も、ハタキでは大きなゴミは落とせても、微細なホコリは撒き散らすだけになります。

従って、朝一や帰宅時すぐに、電気掃除機ではなく、床モップやハンディモップでサッと「ホコリをたてずにホコリをとる」のが、ご家族の健康を守るためにも、とっても大事、ということですね。 

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